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プログラミング学習向けロボットは子どもたちに何を教えるのか?

更新日:2023年6月17日



二足歩行ロボットでプログラミング学習ができる時代 プログラミング学習向けロボット「あるくメカトロウィーゴ」をお借りしました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この「あるくメカトロウィーゴ」は、シャープの携帯電話ロボット「ロボホン」を開発したチームの方々が新た会社を興して開発したロボットです。

デザインは、3Dモデラーの小林さんが手掛けた講談社のメカトロウィーゴIPを採用。

この中には32ビットマイコン、8個のサーボモーター、6軸姿勢制御センサーなど、これら先端技術がエンジニアの方々の素晴らしいデザインセンスと実現のためのすごい努力で小さなボディの中に隙間なく詰まってる。

その機能紹介はメカトロウィーゴ自身に語ってもらいます。紹介動画をご覧ください。



あるくメカトロウィーゴはScratchでプログラミング

教育機関向けメカトロウィーゴは、Scratch(メカトロウィーゴ専用版)でプログラミングが出来ます。

メカトロウィーゴは、端末からインターネット経由でScratchプログラミングをメカトロウィーゴに送るため、常にWi-Fi接続が必要です。

紹介動画のプログラミングもScratchです。メカトロウィーゴ専用の動作ブロックと音声合成の組み合わせです。(音声合成ブロックは、1ブロックあたり30文字までの発音制限があるため、動作ブロックと順に積み重ねると動作と音声の間が開いてしまうので、リスト機能を使った「しゃべくりエンジン」を作り、セリフ群はCSVで流し込めるようにして、動作とパラレルで発声を可能にしてます。 ちなみにセリフの紹介内容はChat GPTにまとめてもらってます。)


あるくメカトロウィーゴで学ぶのは「真っ当な制御」

さて、このメカトロウィーゴを使ったプログラミングで子どもたちが学ぶことはSTEAM教育の領域でいうと、S・T・E・A・M領域全般に該当します。そして何よりも機械の「真っ当なプログラマブル制御」が学べます。

プログラムによる制御は、プログラムで定められた順序や条件、数式などに従ってロボットの駆動部に位置や速度、連続量のデーター(情報)送り動作させます。さらには装置間で通信を行い情報交換するものまであります。その動作には「確実性」や「再現性」、「安定性」がとても重要です。


メカトロウィーゴのさまざまな動作はScratchのブロックに多数準備されています。実行すると毎回確実に安定して同じ動作を行い、また次の動作のために毎回待機ポーズまで戻ります。おそらくレディ状態に向けた姿勢制御や通信処理も行なっているでしょう。このため次のブロック動作移るのに少し間が空いたりとブロックをつなげた連続動作は苦手のようです。これは、コストとのトレードオフで、子どもたちの手に「真っ当な制御」システムを届かせるギリギリまでの企業努力の成果だと思います。さすが経験豊かなエンジニアの方達がつくった秀作です。


安価のなんちゃってロボットカーなどではモーターの回転制御がなかったり、貧弱。また、床面素材、タイヤの摩擦状況などでアナクロな部分が多くなるにつれ、ズレが生じて確実性、再現性がなく、結局その調整作業で時間がかかり、本来の学びの目的が達成しにくかったりします。子どもたちが何度も試したりを繰り返す場面に出くわします。それも学びと「工夫でリカバリーしよう。」いうのは教材としての本質が欠いたものだと思います。


この性能で学ばせる学年は?

Scratchプログラミングですので、小学校中学年から対応可能でしょう。「確実性」、「再現性」、「安定性」のある2足歩行ロボットは授業時間を効果的に、考える、話し合う、プログラミングする時間を増やすことができます。また連続した移動量の多い教材に比べるとスペースも必要とせず、じっくり動作を確認することもできますので、低学年、特別支援での活用もよいと思います。

高学年や中学校では、照度、距離センサー、音声認識、音声合成などをScratch上で使ってプログラミングできますので、本来事前の設定や細かい調整などなしに高度な制御を簡単にな学べ、さまざまな組み合わせで創造力に全振りしたプログラミングが可能です。


そして何よりもロボットを動かすというのは、昔少年だった大きなお友達にとっても憧れの夢だっただけに、多くの子どもたちにロボットで、「真っ当な制御」というものを学んでもらいたいと願っています。

ドラえもんの誕生まで残すところあと89年ですから。





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